最大最小 余弦定理 微分

全く見知らぬどうしですが,添削担当者が2人の共通点を見つけています.
添削担当者A「あれ?」その解答と添削の一部が見えたので,そこから問題を推測してみました.
添削担当者B「どうしました?」
添削担当者A「いやあ,単純なミスも証明の組み立ても,この子たちよく似ててねえ.」
[推測される問題]
2点A(2,0)とB(6,0)を通る円がy軸の正の部分と共有点Rを持つとき,∠ARBの最大値を求めよ.
[解答例]
共有点がR1,R2の2つあっても,同じ弧の円周角なので,∠AR1B=∠AR2B=∠ARBとして考えます.
R(0,y)とすると,AR=√y2+4, BR=√y2+36,AB=4だから余弦定理より
cos∠ARB=(y2+4)+(y2+36)−422√y2+4√y2+36=2y2+242√(y2+4)(y2+36)=y2+12√(y2+4)(y2+36)この式をf(y)としてyで微分して解く方法が解答の一部に見られました.一応計算してみましたが,これは計算がかなり大変です.f′(y)=16y(y+2√3)(y−2√3)√y2+4√y2+36(y2+4)(y2+36)ここまで正しく計算できれば,0と±2√3で極値を持つことが分かります.
添削ではy2+12=tとおいて解いています.
cos∠ARB=t√(t−8)(t+24)=t√t2+16t−192=1√1+16t−192t2さらに1t=sとおくと,√の中は,−192s2+16s+1=−192(s−124)2+43従って,√の中はs=124のとき最大値43
すなわちt=24のとき,すなわちy2+12=24のとき,すなわちy=2√3のとき,cos∠ARBの最小値は√32なので,∠ARBの最大値は30°になります.結局,共有点が1つのとき(接するとき)に角度が最大になることが分かりました.
(2018/1/7追記)
映った解答のシーンだけを見て問題を推測しましたが,上の2つ目の解答の直前にこんなシーンがあったことに気づきました.小問(1)(2)があったようです.
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[推測される問題]
2点A(2,0)とB(6,0)がある.
(1) この2点を通る円がy軸の正の部分と共有点を持つための条件を求めよ.
(2) 点Rがy軸上の正の部分にあるとき,∠ARBの最大値を求めよ.
[略解]
小問(1)
円の中心を(4,b)とすると,半径は√b2+4なので,円の方程式は(x−4)2+(y−b)2=b2+4x=0を代入して,y2−2by+12=0D≧0よりb2−12≧0b>0よりb≧2√3
小問(2)
[別解1] (1)の結果を使う解答
(1)より,円がy軸と接するときの接点(0,2√3)をRとすると∠ARB=30°.円がy軸と2点で交わるときの交点の1つをR'とすると,Rは円の内側にあるので,∠AR'B<∠ARB
よって,∠ARB=30°が最大.
[別解2] (1)の結果を使わずベクトルの内積を使う解答
R=(0,y)とすると,→RA=(2,−y),→RB=(6,−y)なので,cos∠ARB=y2+12√y2+4√y2+36この続きは上と同様.
[別解3] (1)の結果を使わず正接の加法定理を使う解答
∠BRO=α,∠ARO=βとすると,tanα=6y,tanβ=2yなので,tan∠ARB=tanα−tanβ1+tanαtanβ=6y−2y1+6y⋅2y=4yy2+12これをyで微分すると,y=2√3で極値になることが分かります.こちらの方が微分の計算は簡単なんですが,次のようにするともっと楽に解けます.4yy2+12=4y+12yとすれば,分母は相加相乗平均の関係より,y+12y≧2√12=4√3なので,tan∠ARB=4yy2+12≦44√3=1√3よって,∠ARBの最大値は30°になります.
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