Tuesday 6 August 2013

小説 白夜行

空間図形 平面 直線
 主人公が家庭教師に数学を教わる場面です。(文庫本ではP239)
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 空間上の二つの面が交わった時に出来る直線の式を求める、という問題に雪穂は取り組んでいた。解き方は教えてあるし、彼女も理解している。彼女が持っているシャープペンシルは、殆ど動きを止めることはなかった。
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 この問題の解き方はいくつかあります。
①2つの平面の方程式を連立方程式と考え、2つの変数を他の1つの変数で表してそれらをつなぐ。
②2平面の共有点を2つ求め、その2点を通る直線を求める。
③2平面の共有点を1つ求め、その1点を通り、2平面の法線ベクトルの外積を方向ベクトルとする直線を求める。
 文中に「解き方は教えてあるし」とありますが、どの解き方なのでしょう。すべて教えていたのなら上出来だと思います。山の頂上へ行くのにいくつかの道があるのと同じように、数学の問題の解答を得るのにいくつかの解き方があるということも教えてほしいものです。
 ストーリーは面白かったのですが、この作者の他作品と比べると、かなり性描写が露骨でした。どうでもいいことなのでしょうが、文庫本で860ページもあるのになぜ上下巻に分けなかったのか不思議です。