Saturday 22 December 2018

ドラマ 家庭教師が解く! 第2作

2014年 TBS

面積図

家庭教師の香坂夏美が,教え子の家庭の事件に巻き込まれながらも,元刑事の佐伯雫と協力して解決していくという話です.鶴亀算や旅人算などを長方形を描いて解く方法「面積図」が登場しました.
香坂夏美 「2つの事件は,同一犯人による連続殺人事件….解いてみるっちゃ! 知世コーチは10:30に殺された鈴木恭介と,隅の川の近くで会っていた.次は犯行動機.多田一平は三沢院長と知世コーチの男女関係についても調べていた.そのことを鈴木恭介も知っていた.」
柿沼警部 「何これ?」
香坂 「面積図です.」
柿沼 「はあ?」
篠崎管理官 「代数を使わず連立方程式を解くっていうやり方ね.」
柿沼 「何?」
香坂 「だからあ,この長方形とこの長方形の面積の合計が,こっちの長方形とこっちの長方形の面積の合計っていう発想の転換よ.」
佐伯 雫 「つまり?」
篠崎 「田所氏と鈴木殺しは愛梨ちゃんが動機の殺しと別の動機の殺しに分けることができる!」
面積図は「動物の数×1匹の足の数=足の総数」とか,「速さ×時間=距離」というような例では使えますが,上のように数値でない「犯人×動機=殺人」というような例で使われるのには違和感がありますね.

鶴亀算を実際に解いてみましょう.鶴と亀の合計が20で,足の総数が56とします.

<小学生の解き方>
全部が亀だとすると足の総数は4×20=80.これは24多いから,鶴の数は24÷2=12,亀の数は20-12=8となります.面積図を使うと,右図左上の欠けている長方形の面積が鶴の足の数を表します.

逆に全部が鶴だとすると足の総数は2×20=40.これは16少ないから,亀の数は16÷2=8,鶴の数は20-8=12となります.面積図を使うと,右図右上の長方形の面積が,亀の足の数の1/2を表します.

鶴亀算で例えるなら,「全部が亀だとする」を「全部が鶴だとする」に変えることを,劇中では「発想の転換よ」といっています.

<中学生の解き方>
鶴の数をx,亀の数をyとすると,連立方程式 x+y=20,2x+4y=56 を解いて,x=12, y=8

劇中で面積図のことを「代数を使わず連立方程式を解くっていうやり方ね」と言っていましたが,代数を知らないからこそ面積図が便利なのであって,連立方程式をすでに学んだ段階では,代数を使わずにわざわざ面積図を使うことはないでしょう.

世界中の最も多くの国や地域で採用されている「国際バカロレア(IB)」など,海外のカリキュラムでは,このような〇〇算というような,日本の中学入試のためにあるようなやたら難しい文章題はあまり見られず,代数を使って方程式で解く方法へスムーズに進んでいるように思います.

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