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2019年11月13日

アニメ ぼくたちは勉強ができない!

筒井大志 2019年 TOKYO MX 

三角関数

週刊「少年ジャンプ」に連載された漫画のアニメ化で、大学入試の受験勉強に奮闘する高校生たちの話です。


訂正前
オープニング映像で三角関数のある問題の解答が一瞬現れます.この解答から推測すると,$\theta$の関数$f(\theta)$が与えられていて,$f\left(\frac{\pi}{4}\right)$,$f\left(\frac{\pi}{3}\right)$を求め,$0≦\theta≦\pi$において$f(\theta)$がとりうる最大の整数を求めなさいという問題のようです.

その解答は,
$f(\theta)=11\cos^2\theta-10\cos\theta\sin\theta$ を考える.
$f\left(\frac{\pi}{4}\right)=1$,$f\left(\frac{\pi}{3}\right)=\frac{7-5\sqrt{3}}{2}$ である.     
となっていたのですが,計算してみたら値が一致しません.その後の式変形も
\begin{eqnarray}
f(\theta)&=& 5\cos2\theta-5\sin2\theta+6 \\
&=&  5\sqrt{2}\sin\left(2\theta+\frac{3\pi}{4} \right)+6
\end{eqnarray}となっていて,もとの$f(\theta)$とは一致しないので,最初の$f(\theta)$の式が間違っているのではないかとよく考えてみたら,正しくは$$f(\theta)=11\cos^2\theta-10\cos\theta\sin\theta+\sin^2\theta$$であり,元の式は "$+\sin^2\theta$" が抜けていることが分かりました.これなら$f\left(\frac{\pi}{4}\right)$,$f\left(\frac{\pi}{3}\right)$も最初の値になります.

正しい$f(\theta)$で後の式変形も確かめてみましょう.
\begin{eqnarray}
f(\theta)&=& 11\cos^2\theta-10\cos\theta\sin\theta+\sin^2\theta \\
&=&10\cos^2\theta-10\cos\theta\sin\theta+\sin^2\theta+\cos^2\theta \\
&=&10 \cdot \frac{1+\cos2\theta}{2}-10 \cdot \frac{\sin2\theta}
{2}+1 \\
&=& 5\cos2\theta-5\sin2\theta+6 \\
&=& 5\sqrt{2}\left\{\sin2\theta\cdot \left( -\frac{1}{\sqrt{2}} \right) +\cos2\theta\cdot\frac{1}{\sqrt{2}} \right\}+6 \\
&=&  5\sqrt{2}\left(\sin2\theta\cos\frac{3\pi}{4}+\cos2\theta\sin\frac{3\pi}{4} \right)+6 \\
&=&  5\sqrt{2}\sin\left(2\theta+\frac{3\pi}{4} \right)+6
\end{eqnarray}よって、$0≦\theta≦\pi$における最大値は$5\sqrt{2}+6=13.071...$となるので,最大の整数は13ということになります.

1度目の訂正後
もうひとつ別の部分で、最初のミスを後で訂正していたことが分かりました。右が訂正後です.$$\sin\theta+\cos\theta=\frac{\sin2\theta}{2}$$が、次の式に訂正されています。$$\sin\theta\cos\theta=\frac{\sin2\theta}{2}$$
$f(\theta)$の方も訂正されたらここに追記したいと思います.


<2019/12/15 追記>


2度目の訂正後
#11 (2019/12/14 土曜深夜 放送分) で  $f(\theta)$ に $+\sin^2\theta$ が加えられ,訂正されました.しかし残念なことに,1度目に訂正した$$\sin\theta\cos\theta=\frac{\sin2\theta}{2}$$が,また元の$$\sin\theta+\cos\theta=\frac{\sin2\theta}{2}$$に戻ってしまいました.$f(\theta)$ の訂正に,1度目の訂正をする前の原稿を使ってしまったのでしょう.


<2019/12/22 追記>


3度目の訂正後
翌週放送の,#12 (2019/12/21 土曜深夜 放送分) で,$$\sin\theta+\cos\theta=\frac{\sin2\theta}{2}$$が修正され,正しい$$\sin\theta\cos\theta=\frac{\sin2\theta}{2}$$に戻りました.これでようやくすべて間違いのない状態になりました.良かったです.このことは,私から直接指摘はしていないので,他の視聴者からの指摘なのか,スタッフ自らが気付いたのか聞いてみたいものです.

2018年1月4日

アニメ クロスロード

2014年 Z会短編アニメCM

最大最小 
余弦定理 微分

地方の離島に住んでいて東京の大学への進学を目指す女子高生と,東京で大学受験勉強中の男子高生が同じ通信教育を受けていて,それが縁と言えるかどうか分かりませんが最後には出会うというストーリーのCMで,あの大ヒット映画「君の名は。」の原点にもなった作品です。

全く見知らぬどうしですが,添削担当者が2人の共通点を見つけています.
添削担当者A「あれ?」
添削担当者B「どうしました?」
添削担当者A「いやあ,単純なミスも証明の組み立ても,この子たちよく似ててねえ.」
その解答と添削の一部が見えたので,そこから問題を推測してみました.


[推測される問題]

2点A(2,0)とB(6,0)を通る円がy軸の正の部分と共有点Rを持つとき,∠ARBの最大値を求めよ.

[解答例]

共有点がR1,R2の2つあっても,同じ弧の円周角なので,∠AR1B=∠AR2B=∠ARBとして考えます.
R(0,y)とすると,$AR=\sqrt{y^2+4}$,$\ BR=\sqrt{y^2+36}$,$AB=4$だから余弦定理より
\begin{align}
\cos{\angle ARB}&=\frac{(y^2+4)+(y^2+36)-4^2}{2\sqrt{y^2+4}\sqrt{y^2+36}}\\
&=\frac{2y^2+24}{2\sqrt{(y^2+4)(y^2+36)}}\\
&=\frac{y^2+12}{\sqrt{(y^2+4)(y^2+36)}}
\end{align}この式をf(y)としてyで微分して解く方法が解答の一部に見られました.一応計算してみましたが,これは計算がかなり大変です.$$f'(y)=\frac{16y(y+2\sqrt{3})(y-2\sqrt{3})}{\sqrt{y^2+4}\sqrt{y^2+36}(y^2+4)(y^2+36)}$$ここまで正しく計算できれば,0と$\pm2\sqrt{3}$で極値を持つことが分かります.

添削では$y^2+12=t$とおいて解いています.
\begin{align}
\cos{\angle ARB}&=\frac{t}{\sqrt{(t-8)(t+24)}}\\
&=\frac{t}{\sqrt{t^2+16t-192}}\\
&=\frac{1}{\sqrt{1+\frac{16}{t}-\frac{192}{t^2}}}
\end{align}さらに$\frac{1}{t}=s$とおくと,√の中は,$$-192s^2+16s+1=-192\left(s-\frac{1}{24}\right)^2+\frac{4}{3}$$従って,√の中は$s=\frac{1}{24}$のとき最大値$\frac{4}{3}$
すなわちt=24のとき,すなわち$y^2+12=24$のとき,すなわち$y=2\sqrt{3}$のとき,$\cos{\angle ARB}$の最小値は$\frac{\sqrt{3}}{2}$なので,∠ARBの最大値は30°になります.結局,共有点が1つのとき(接するとき)に角度が最大になることが分かりました.

<2018/1/7追記>
映った解答のシーンだけを見て問題を推測しましたが,上の2つ目の解答の直前にこんなシーンがあったことに気づきました.小問(1)(2)があったようです.

click to enlarge

[推測される問題]

2点A(2,0)とB(6,0)がある.
(1) この2点を通る円がy軸の正の部分と共有点を持つための条件を求めよ.
(2) 点Rがy軸上の正の部分にあるとき,∠ARBの最大値を求めよ.

[略解]

小問(1)

円の中心を(4,b)とすると,半径は$\sqrt{b^2+4}$なので,円の方程式は$$(x-4)^2+(y-b)^2=b^2+4 \tag{3}$$x=0を代入して,$$y^2-2by+12=0 \tag{4}$$D≧0より$$b^2-12 \geqq 0$$b>0より$$b\geqq2\sqrt{3}$$
小問(2)

[別解1]  (1)の結果を使う解答
(1)より,円がy軸と接するときの接点$(0, 2\sqrt{3})$をRとすると∠ARB=30°.円がy軸と2点で交わるときの交点の1つをR'とすると,Rは円の内側にあるので,∠AR'B<∠ARB
よって,∠ARB=30°が最大.

[別解2]  (1)の結果を使わずベクトルの内積を使う解答
R=(0,y)とすると,$\overrightarrow{RA}=(2,-y)$,$\overrightarrow{RB}=(6,-y)$なので,$$\cos{\angle ARB}=\frac{y^2+12}{\sqrt{y^2+4}\sqrt{y^2+36}}$$この続きは上と同様.

[別解3]  (1)の結果を使わず正接の加法定理を使う解答
∠BRO=$\alpha$,∠ARO=$\beta$とすると,$\tan\alpha=\frac{6}{y}$,$\tan\beta=\frac{2}{y}$なので,$$\begin{align}
\tan{\angle ARB}&=\frac{\tan\alpha-\tan\beta}{1+\tan\alpha\tan\beta}\\
&=\frac{\frac{6}{y}-\frac{2}{y}}{1+\frac{6}{y}\cdot\frac{2}{y}}\\
&=\frac{4y}{y^2+12}\\
\end{align}$$これをyで微分すると,y=$2\sqrt{3}$で極値になることが分かります.こちらの方が微分の計算は簡単なんですが,次のようにするともっと楽に解けます.$$\frac{4y}{y^2+12}=\frac{4}{y+\frac{12}{y}}$$とすれば,分母は相加相乗平均の関係より,$$y+\frac{12}{y}\geqq2\sqrt{12}=4\sqrt{3}$$なので,$$\tan{\angle ARB}=\frac{4y}{y^2+12}\leqq\frac{4}{4\sqrt{3}}=\frac{1}{\sqrt{3}}$$よって,∠ARBの最大値は30°になります.

2016年8月9日

アニメ 山田君と7人の魔女 第1話

吉河美希(原作) 2014年 講談社

ベクトル 微分積分

身体を入れ替ることができる不良生徒山田竜と優等生白石うらら,他に数名が超常現象研究部をつくって,同じ高校にいる7人の魔女探しをするという話です.冒頭でいきなり数学Ⅱの小テストの答案が現れ,できなかった山田竜を先生が叱っている場面から始まります.
先生「君は学校を何だと思っているのかね.この私立の名門,朱雀高校開校以来初めてだよ.毎日のように遅刻・早退を繰り返し,あちこちで喧嘩三昧,揚句,授業中に居眠りだと!? 山田竜!」
この小テスト,変なところががいくつかありました.
・小テストなのにやたら問題数が多い.
・「解答」と書くべきところがすべて「回答」となっている.
・どの解答欄も極端に狭い.
・なぜか横に緑茶の入った湯呑がある.
・数学Ⅱなのに数学Bや数学Ⅲの範囲の問題が出ている.
・しかも小テストにしてはけっこう計算の面倒な問題がある.例えば, 「次の曲線や直線で囲まれた部分の面積を求めよ」
(1) y=(x-e)logx, y=0
(2) (3) 略
(4) y=sinx, y=sin2x (0≦x≦π)
解いてみたらこうなりました.
(1) -1/4e^2+e-1/4(≒0.621)
(4) 5/2(=2.5)
(数学Ⅲを既習の人は確かめてみてください)
それにしても数学Ⅱの小テストなのですから,生徒の立場からすれば,出題範囲を越境しないでほしいですね.


2015年3月23日

アニメ デュラララ!!×2承 第6話


成田良悟(原作) 2010年 MBS

解析概論 十二進法 忌み数字
 ロシア人女性の殺し屋ヴァローナが、まるで雑誌をめくるようにあの難しい解析概論を読みながら、13がなぜ不吉な数と言われるのかを説明していました。
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諸説存在します。最後の晩餐、ユダの座った13番目の席が有名。ただし、キリスト教だけが原典にあらず。
北欧の神々の伝承、12人の神による調和、13番目に現れたロキが調和を乱した。
古代、12進法を使っていた国々、13番目は12の調和を破壊、忌み数字。
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 1, 2, 3, 4, 6, 12と約数の多い12は調和を意味する数とされていたため、その12に1を加えた素数13は調和を乱すと考えられていたようです。この13は忌み数または忌み数字、英語ではbaker's dozen, devil's dozen, witch's dozenとも呼ばれています。
 ヴァローナが読んでいた解析概論は、日本の数学界ではバイブルともいえる本で、日本初の世界的数学者である髙木貞二が書いたものです。大学の理系の教科書としてよく使われていて、第1版は1938年発行、私は1975年の第17刷を持っています。このアニメのようにとてもペラペラとめくりながら読める本ではありません。表紙が緑色がかっていたので、改訂第3版軽装版だと思われます。内容がはっきりわかるほど細かく描写されていたので、思わずそのページを調べてしまいました。P.16-17をめくって24-25、28-29をめくって30-31、144-145をめくって304-305をめくって328-329でした。つまり、めくっているのにページ数は飛んでいました。こんな細かいところまで調べるような人は他にいないだろうと思ったら、こちらにいました(笑)。