Tuesday, 6 May 2014

小説 陽気なギャングの日常と襲撃

仕事(ベクトルの内積)
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 力が働いて物体が移動したときに、物体の移動した向きの力と移動した距離との積を、力が物体になした仕事という。
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物理でいう仕事(単位N・m=J)というのはベクトルの内積にあたります。ベクトルaとベクトルbの内積はab=|a||b|cosθで定義されます。物体にかけた力を表すベクトルaと移動を表すベクトルbが同じ方向の場合はθ=0なのでcosθ=1ですから、仕事=内積はab=|a||b|となりますが、同じ方向でない場合、移動方向にかかる力は|a|cosθとなりますから、仕事=内積はab=|a||b|cosθとなります。私が高校のときの数学の教科書には定義式以外に説明がなかったので、それが何を意味するのか長い間分かりませんでした。
 ベクトルの掛け算には内積と外積があります。内積はベクトル・ベクトル=スカラー(定数)になりますが、3次元での外積はベクトル×ベクトル=ベクトルになります。ベクトルの外積が表す物理量のひとつとして力のモーメントがあります。力のモーメントは回転運動を与える力の能率のことで、回転軸から力を加える点を結ぶベクトルをa、加える力を表すベクトルをbとするとき、その大きさは|a×b|=|a||b|sinθで、その方向はabに向かって近づく回転で右ネジが進む方向です。N・mという単位は仕事と同じですが、異なるものです。
 ちなみに広義の外積は2次元でも定義できて、2つの平行でないベクトルが作る平行四辺形の面積になります。成分で見てみると、a=(a1, a2), b=(b1, b2)のとき、外積は
|a×b|=|a1b2-a2b1|
になります。これを使うと3点を結ぶ三角形の面積が簡単に求められることはよく知られてます。

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