割り算には「等分除」と「包含除」2つの意味があります。「等分除」は、例えば6個の物を2人で分けるとか3人で分けるなど、文字通り「等分すること」です。ただしこれは割る数が正の整数に限られます。一方「包含除」は、例えば6の中に1/2はどれだけ含まれているかというように、割る数がどれだけ割られる数に含まれているかという意味で、この場合は割る数が自然数とは限りません。姉「九九を始めから言ってみなさい。」たえこ「九九なんて言えるわよ。もう5年生だよ。」姉「九九ができるならどうして間違ったのよ!」たえこ「だって分数の割算だよ。」姉「分母と分子をひっくり返して、掛けりゃいいだけじゃないの。学校でそう教わったでしょ?」たえこ「うん…。」姉「じゃあどうして間違ったの!」たえこ「分数を分数で割るって、どういうこと?」姉「ええ?」
たえこ「2/3個のりんごを、1/4で割るっていうのは、2/3個のりんごを、4人で分けるとひとり何個かってことでしょう?」姉「うん…。」
たえこ「だから、1、2、3、4、5、6で、ひとり1/6個。」
姉「違う、違う、違う、違う。それは掛け算。」たえこ「ええ!どうして?掛けるのに数が減るのー?」
姉「2/3個のりんごを、1/4で割るっていうのは…、とにかく、りんごにこだわるからわかんないのよ。掛け算はそのまま、割算はひっくり返すって覚えればいいの。」
分数で割るというのは後者の場合に当てはまります。2のなかに1/3はいくつあるか。1の中に1/3は3つありますから、2のなかには2×3=6個ありますね。つまり2÷1/3=2×3=6となります。したがって、2÷1/3=2×3ということになります。
他にもこんな説明の仕方があります。
1/2÷3/4 この分母と分子に4/3を掛けると、
=(1/2×4/3)÷(3/4×4/3)
=(1/2×4/3)÷1
=1/2×4/3
(参考)「数学入門(上)」遠山啓 著 岩波新書
No comments:
Post a Comment