緯度 経度
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「三番目の数字で検索していただけますか」尚美の声は震えた。
地図の真ん中には、ホテル・コルテシア東京の文字があった。
「次の犯行現場がこちらのホテルだということは明白でしょう?」
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犯人は次の犯行現場を緯度・経度で予告しました。実際に小説に出てきた数字で場所(35.678738, 139.788585)を調べたら、東京都首都高速9号深川線と隅田川の交差している地点でした。もちろんフィクションですから実際にホテルはありません。
地球はほぼ球であるとして考えましょう。下図の点Pの緯度(Latitude)は、「球の中心とPを結ぶ線分」と赤道面とのなす角(図のφ)で[-90,90]。経度(Longitude)はグリニッジ子午線とPを通る子午線とのなす角(図のλ)で[-180,180]。
ただし、子午線とは北極と南極を球面上で結ぶ半円のことで、北=子(ねずみ)と南=午(うま)が語源です。
<座標(緯度,経度)の例>
◇座標(51.477222, 0)=グリニッジ天文台(Royal Greenwich Observatory)
◇座標(0, 0)=アフリカのガーナ南約500kmの大西洋上、グリニッジ子午線(本初子午線)と赤道の交点。
◇座標(0, 180)=ハワイの南西約3000kmの太平洋上、日付変更線と赤道の交点。
◇座標(34.649395, 135)=明石市立天文科学館
◇座標(-34.649395, -45)=日本(明石市立天文科学館)と正反対の地球の裏側で、南米ウルグアイの西約1000kmの大西洋上。
球座標(Spherical Polar Coordinates)または3次元極座標(3D Polar Coordinates)は、普通は左図のように(r,θ,φ)で表します。xy平面は赤道面にあたります。θは極角といいますが、θ=90°-緯度 なので余緯度とも呼ばれます。φは方位角といい、経度にあたります。直交座標との関係は x=rsinθcosφ y=rsinθsinφ z=rcosθとなります。
数学でよく使う直交座標は、1637年に発表された『方法序説』において平面上の座標の概念を確立したルネ・デカルト(René Descartes)の名をとってデカルト座標 (Cartesian coordinates) ともいいます。
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