Tuesday, 17 January 2012

ドラマ 古畑任三郎「笑うカンガルー」

Finger Calculator French Style, Crocodile Dilemma, Nim Game
 1995年に初放送されたドラマです。見たことはあったのですが、最近機会があってもう一度ゆっくり見てみました。ドラマの冒頭に Finger Calculator French Style(フランス式指電卓)が紹介されています。途中、Crocodile Dilemma(ワニのジレンマ)が、ワニをライオンに変えて「ライオンのパラドックス」として紹介されています。いずれも検索すれば解説が多数見つかります。
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二本松:好きな数字を決めて、お互いに1から順に数えるんです。そして最後にその数字を言った方の負け。じゃあ、お好きな数字を。
古畑 :えー、それじゃあ、16。
二本松:いいですよ。あ、それから、一度に言っていい数字は3つまでです。
古畑 :3つまで。わかりました。
二本松:では僕の方から。「1,2,3」
古畑 :うーん、「4,5,6」
二本松:「7」
古畑 :「8, 9, 10」
二本松:「11」
古畑 :「12」
二本松:「13, 14, 15」
古畑 :じゅうろ…、負けだ。
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 これは2人で対戦する数字のゲームです。必勝法は次の通り。相手にxを言わせるには自分がx-1で終わる。そのためにはその前に自分がx-5で終わる。そのためにはその前に自分がx-9で終わる。……。これでは覚えにくいので、まずxを4で割った余りrを考え、自分は常に4で割った余りがr-1となる数で終わるようにする。すなわち、x≡r(mod4)(xを4で割った余りはrという意味)を考え、自分は常にy≡r-1(mod4)となる数yで終わるようにします。
<例1>x=16の場合
 16≡0(mod4)だから、自分は常にy≡-1≡3(mod4)となる数、すなわち「4の倍数-1」で終わるようにする。上のセリフでは、二本松は常に「4の倍数-1」で終われば勝てるということを分かっていて答えています。x=16の場合は先手必勝です。
 これはNim Game というゲームの一種で、The 21 game とか Not 21 などと呼ばれるゲームです。上のx=21の場合に当たります。
<例2>x=21の場合
 21≡1(mod4)だから、自分は常にy≡0(mod4)となる数、すなわち「4の倍数」で終わるようにすれば勝てます。最初に4の倍数を言うことはできませんから、x=21の場合は後手必勝です。
 あと、ドラマの中に出てきたアーバックル賞とファルコンの定理は、フィールズ賞とフェルマーの定理がモデルになっているようです。

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