分数 三角関数 積分 実数 直円錐
人気塾講師五十嵐透が貧しい高校生遠藤真紀を東大に合格させようとする話です.1/2+1/3=2/5と答えた真紀に対し,お好み焼きを6等分して1/2+1/3=5/6を説明していました.
第3話 |
①sinθ-cosθ=14となるとき,sinθcosθの値を求めよ.
この問題は,第4話から「sinθ-cosθ=1/4となるとき」に訂正されていました.高校数学Ⅱの三角関数の合成を習うと,sinθ-cosθ=√2sin(θ-π/4)と変形でき,この値の絶対値は√2より小さいことが分かりますから,sinθ-cosθ=14はあり得ません.たぶん,視聴者からの指摘があって訂正したのではないかと思われます.訂正された問題の正解は15/32になります.解いてみてください.
第4話 |
他にもかすかに問題が読み取れました.
②曲線y=x^2+x+2-2xと直線y=2mx+2で囲まれる部分の面積が最小値となる定数mを求めよ.
この曲線の式は同類項xと-2xがまとめられていないのが既におかしいですね.まとめると曲線y=x^2-x+2となりますが,このまま解くと面積の最小値が0(このときm=-1/2)になってしまって,間違いではないですが少しおかしな問題になります.
③実数t,x,y,zが下の条件を満たす.x,y,zのうち,2つが等しい値となるときのtの値を求めよ.
x+y+z=t
x^2+y^2+z^2=t^2-t+10
x^3+y^3+z^3=t^3-3t^2+4t+12
いろいろやってみましたが,すっきりした値が出ないので,zをyに置き換えてWolframAlphaに
solve x+2y=t,x^2+2y^2=t^2-t+10,x^3+2y^3=t^3-3t^2+4t+12
と入力してみたら,有効数字6桁のtの値が5つ出てきました.問題のどこかが間違っているような気がします.
④直円錐の頂点をP,底面の直径の両端をA,B,線分APの中点をQとする.このとき,点BからQに至る最短距離を求めよ.
これは具体的な値が与えれていないので,文字だけで計算することになります.母線APの長さをR,底面の半径をrとして,展開図の側面の扇形を考え,線分BQの長さを求めればいいですね.側面の扇形の中心角をθとすれば,θ=2πr/Rなので,△PQBの∠P=θ/2=πr/Rとなり,PB=R, PQ=R/2なので,余弦定理より
$BQ^2=R^2+\left(\frac{R}{2}\right)^2-2\cdot R\cdot\frac{R}{2}cos\frac{\pi r}{R}$
よって,BQの長さは次式になります.
$BQ=R\sqrt{\frac{5}{4}-cos\frac{\pi r}{R}}=\frac{R}{2}\sqrt{5-4cos\frac{\pi r}{R}}$
このドラマの原作者は東大卒の精神科医で,大学受験対策本や啓蒙書も多数執筆されていて,中には「なぜ数学が得意な人がエグゼクティブになるのか」とか「数学は暗記だ!」など,ちょっと気になる本も出されています.
(2017年1月3日追記)
最終回(2016年8月28日放送)の中で2017年1月15日センター試験「数学Ⅰ・数学A」の問題が少しだけ映っていました.もちろんフィクションなので本物ではありません.実際は,第1問から第3問が必答で,第4問~第6問から2問選択ですが,ドラマでは必答にすべき2次関数の問題が選択になっていました.読み取った問題を掲載しますので解いてみてください.
(ドラマの中の問題)
数学Ⅰ・数学A
第5問(選択問題)(配点 20)
2次関数
y=-x^2+2x+1 …①
のグラフの頂点の座標は(ア,イ)である.また
y=f(x)
はxの2次関数で,そのグラフは,①のグラフをx軸方向にp,y軸方向にqだけ平行移動したものであるとする.
(1) 下の(ウ)(オ)には次の⓪~④のうちから当てはまるものを一つずつ選べ.ただし,同じものを繰り返し選んでもよい.
⓪> ①< ②≧ ③≦ ④≠
2≦x≦4におけるf(x)の最大値がf(2)になるようなpの値の範囲は
p(ウ)(エ)
であり,最小値がf(2)になるようなpの値の範囲は
p(オ)(カ)
である.
(2) 2次不等式f(x)>0の解が-1≦x≦5になるのは
p=(キ) q=(ク)
のときである.
(3) 2次不等式f(x)>1の解が-1≦x≦5になるのは
p=(ケ) q=(コ)
のときである.
二次関数の最大値/最小値を求めたり,二次不等式を解くだけなら易しいのですが,このように,解が先に分かっていて元の関数の式を決定する問題は少し難しくなります.ドラマの中での主人公の解答は(カ)と(コ)が間違っていましたが,全科目900点満点中728得点だったので良かったですね.
(正解)
(1) (ア,イ)(1, 2) (ウエ)≦1 (オカ)≧2
(2) (キ)1 (ク)7 (ケ)1 (コ)8
GeoGebraで正解を確認できるものを作ってみました.pとqの値を変えてみてください.
https://www.geogebra.org/m/CT4gKJvV
(2017年1月3日追記)
最終回(2016年8月28日放送)の中で2017年1月15日センター試験「数学Ⅰ・数学A」の問題が少しだけ映っていました.もちろんフィクションなので本物ではありません.実際は,第1問から第3問が必答で,第4問~第6問から2問選択ですが,ドラマでは必答にすべき2次関数の問題が選択になっていました.読み取った問題を掲載しますので解いてみてください.
(ドラマの中の問題)
数学Ⅰ・数学A
第5問(選択問題)(配点 20)
2次関数
y=-x^2+2x+1 …①
のグラフの頂点の座標は(ア,イ)である.また
y=f(x)
はxの2次関数で,そのグラフは,①のグラフをx軸方向にp,y軸方向にqだけ平行移動したものであるとする.
(1) 下の(ウ)(オ)には次の⓪~④のうちから当てはまるものを一つずつ選べ.ただし,同じものを繰り返し選んでもよい.
⓪> ①< ②≧ ③≦ ④≠
2≦x≦4におけるf(x)の最大値がf(2)になるようなpの値の範囲は
p(ウ)(エ)
であり,最小値がf(2)になるようなpの値の範囲は
p(オ)(カ)
である.
(2) 2次不等式f(x)>0の解が-1≦x≦5になるのは
p=(キ) q=(ク)
のときである.
(3) 2次不等式f(x)>1の解が-1≦x≦5になるのは
p=(ケ) q=(コ)
のときである.
二次関数の最大値/最小値を求めたり,二次不等式を解くだけなら易しいのですが,このように,解が先に分かっていて元の関数の式を決定する問題は少し難しくなります.ドラマの中での主人公の解答は(カ)と(コ)が間違っていましたが,全科目900点満点中728得点だったので良かったですね.
(正解)
(1) (ア,イ)(1, 2) (ウエ)≦1 (オカ)≧2
(2) (キ)1 (ク)7 (ケ)1 (コ)8
GeoGebraで正解を確認できるものを作ってみました.pとqの値を変えてみてください.
https://www.geogebra.org/m/CT4gKJvV
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