アラン・チューリング 暗号 組合せ
ナチスドイツの暗号を解読した数学者アラン・チューリングの話です。
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Trailer
"One hundred and fifty nine milion milion milion possible settings. It's unbreakable."
"Let me try and we'll know for sure."
字幕1
「暗号の組合せは150×10の18乗以上。解読不能だ。」
「私が解読してみせる。」
字幕2
「1.5×10^21通りのパターンが可能なのだ。解読は不可能だとされている。」
「私がやってみないとわかりません。」
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以上は2種類の字幕つき予告編ですが、正確には159×10の18乗(または1.59×10^20)です。ネット上に英語の脚本があったので確認してみると、暗号の組合せをアランが概算で
「150×10の18乗以上。Over one hundred and fifty million million million possible settings.」
と答えたのに対し、ヒュー・アレグザンダーが
「もう少し正確には159だ。One hundred fifty nine, if you'd rather be exact about it.」
と答えます。さらにヒューは
「159と0が18個だ。One five nine with eighteen zeroes behind it.」
と続けていました。159×10の18乗は直訳すると"One hundred and fifty nine times ten raised to the power of eighteen."となります。日本の万進法では「一垓五千九百京」といいます。一垓は10^20、一京は10^16です。
ところで、159×10の18乗のような表し方を科学表記(scientific notation)と言います。似たような表記を調べてみたら以下の5つがありました。
(1) 科学表記(scientific notation)
(有効数字で構成される数)×(10の累乗)の形,例えば
159×10^18
15.9×10^19
と表す方法を科学表記といい,前半の数を仮数部(coefficient, significand, mantissa),10を基数(radix)または底(base),累乗の部分を指数部(exponent)といいます。基数または底は10とは限りません。
(2) 指数表記(exponential notation)
科学表記のうち,仮数部mを1≦|m|<10にした形,すなわち日本の「中学数学1」教科書の表現によると(整数部分が1けたの数)×(10の累乗)の形,例えば
1.59×10^20
と表す方法を、正規化された科学表記(normalized scientific notation)といい,指数表記(exponent notation)ともいいますが,この場合も単に科学表記と呼ぶことが多いようです。
(3) 工学表記(engineering notation)
科学表記のうち,仮数部の整数部分を1~3桁で表し,指数部を10^3ごとに(指数を3の倍数で)表す方法を工学表記といいます。例えば上の例は
159×10^18
になります.
(4) 浮動小数点表記(floating point notation)
科学表記は,コンピューター用語では浮動小数点表記ともいい,この数全体を浮動小数点数(floating point number)といいます。標準規格IEEE方式では基数2,IBM方式は基数16で表すのが特徴です。
(5) E表記(E notation)
電卓で,指数の代りに1.59E20と表す方法。因みにグラフ電卓のMODEにNormal, Sci, Engとあるのは,それぞれ10進表記,指数表記,工学表記を表しています。また,同じくMODEにあるFloat 0123456789で有効数字の桁数を指定できます。
以上の表記に対して数の普通の表記を特に10進表記(decimal notation)または標準形(standard form)という場合があります。ちなみに欧米では10の累乗の呼び方にshort scaleとlong scaleというのがあって、10^9から呼び方が違い、10^18はshort scaleではQuintillion、long scaleではTrillionと言います。
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