極方程式 媒介変数表示
小学5年生の関口ハジメが天才的な数学の才能を持つことを,老数学者の内田豊に見いだされ,成長していくという話です.数学検定を受けたときにハジメから借りたコンパスをわざわざ家まで返しに来た剛田ハチへのお礼に,キーホルダーと同じ形のグラフを表す式をプレゼントする場面です.
ハジメ「これやってみて」
ハチ 「? グラフ問題 ……」
「あ これ… 私のキーホルダーの…… すごい…」
ハジメ「コンパス持ってきてくれたお礼!」
3つの式がセットでひとつのグラフの方程式だと誤解しそうですが,1行目は極方程式で,2行目と3行目がセットで媒介変数表示なので,どちらか一方だけで同じグラフを表します.
極方程式は,動径がx軸となす角をθとするときの原点からの距離rをθの関数で表します.例えば,原点中心で半径1の円は原点からの距離rが常に1なので,デカルト方程式(xy方程式)では $x^2+y^2=1$,極方程式では r=1 になります.
上式の場合は,a=4なので r=sin4θ,すなわち原点からの距離rが sin4θ(周期$\frac{\pi}{2}$)になります.これは,θが0から2πまで増加(動径が1回転)する間に0→1→0→−1→0の間の値(花びら2枚分)を4回繰り返しますから,y=sinx と r=sinθ のグラフは次のようになります.
![]() |
y=sin4x |
![]() |
r=sin4θ |
一方,媒介変数表示は,xy平面上の点の座標を他の変数の関数で表したものです.例えば,$x=t$, $y=t^2$なら,点$(t, t^2)$の軌跡になるので,$y=x^2$になります.上式の場合は,点 (sin4θcosθ,sin4θsinθ) の軌跡になり,上と同じグラフになります.