Saturday, 11 July 2015

映画 ST赤と白の捜査ファイル

空気抵抗を加味した放物運動

主人公の赤城左門が,追ってに追われてビルからビルへ飛び移ろうとするときに頭の中に浮かんだとされる数式です.手書きだったので非常に読みづらかったのですが,その後出典らしきものを見つけたので,見えにくかった数式が全部分かりました.以下がその画面に登場した数式です.
md^2x(t)/dt^2=-γdx(t)/dt
md^2z(t)/dt^2=mg-γdz(t)/dt
x(0)=z(0)=0

x'(0)=v0cosθ, z'(0)=v0sinθ
x(t)=(mv0cosθ)/γ・(1-exp(-γt/m))
z(t)=-mgt/γ+(m/γ)^2(g+γv0sint/m)(1-exp(-γt/m))

放物運動ですが,ちゃんと空気抵抗を加味して考えています. 質量m, 重力加速度g, 抵抗係数γ>0, 初速度v0, 投射角度θとし,動体の空気抵抗は運動の向きの逆向きで速度の大きさに比例すると仮定します.最初の2式は,水平方向と垂直方向に分けて表した微分方程式,次の2式は初期条件,最後の2式は微分方程式の解を表しています.空気抵抗を加味しているので,軌跡は放物線になりません.

このあと赤城左門は,「解けた!いける!」と言って,ビルからビルへのジャンプに成功します.しかし,ビルとビルとの間が7mで,手前1mから向かいのビルの端の先1mのところまで合計9mを跳ぶので,これを成功したとなると,走り幅跳びの世界記録8m90cmを上回ることになってしまいます.

出典にはこの微分方程式を解く手順が書かれてなかったので,以下に解いてみました.

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