Saturday, 31 May 2014

NEWS 日米解けるか“4次方程式“12日からTPP首席交渉官会合

連立方程式 4次方程式
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2014/5/11産経新聞
■(1)関税率(2)期間(3)緊急制限(4)特別枠
 日米など12カ国が参加する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の首席交渉官会合が12~15日、ベトナム・ホーチミンで開かれる。続く19~20日にはシンガポールで閣僚会合が予定されており、交渉は大きな山場を迎える。牛・豚肉など重要農産品5分野の関税の扱いで対立してきた日米両政府は、関税率などの4条件を同時決着させる方針。一方、新興国も参加する今回交渉は知的財産権の問題なども焦点で、複雑な“連立方程式”を解くような協議となりそうだ。
(中略)
 交渉筋によると、重要5分野について(1)関税率をどこまで下げるか(2)引き下げにかける期間(3)輸入が急増した際に関税率引き上げを可能にする「特別緊急輸入制限(セーフガード)」の設定(4)低関税率の特別輸入枠の設定-という“4次方程式”から1つの解を導き、両国の妥結を図る方針で一致したという。
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 始めに「連立方程式」といっておいて最後に「4次方程式」というのはおかしいですね。内容から考えると、関連する4つの問題を解決しようとしているので、「4次方程式」ではなく「4元連立方程式」のほうが適すると思います。
 代数方程式の解法にはおもしろい歴史があります。
・2次方程式の解の公式発見  9世紀 フワリズミー(アラビヤ)
・3次方程式の解の公式発見 16世紀 フォンタナ(イタリア)
・3次方程式の解の公式公表 16世紀 カルダノ(イタリア)
・4次方程式の解の公式発見 16世紀 フェラーリ(イタリア)
・5次以上の方程式に解の公式がないことを証明 19世紀 アーベル(ノルウェー)
・5次以上の方程式が解を持つ条件 19世紀 ガロア(フランス)
 カルダノはフォンタナをだまして3次方程式の解法を聞きだし、自分の著書で公表しました。フォンタナには可哀そうですが、3次方程式の解の公式は「カルダノの公式」と呼ばれています。
 アーベルが5次以上の方程式は一般に代数的には解けない(冪根と四則演算だけで書ける解の公式が存在しない)ことを証明した後、ガロアはどんな場合に与えられた方程式が代数的な解を持つのかを明らかにしました。内容が難しすぎて、死後14年も経ってからその業績が注目されたそうです。

Tuesday, 6 May 2014

小説 陽気なギャングの日常と襲撃

仕事(ベクトルの内積)
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 力が働いて物体が移動したときに、物体の移動した向きの力と移動した距離との積を、力が物体になした仕事という。
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物理でいう仕事(単位N・m=J)というのはベクトルの内積にあたります。ベクトルaとベクトルbの内積はab=|a||b|cosθで定義されます。物体にかけた力を表すベクトルaと移動を表すベクトルbが同じ方向の場合はθ=0なのでcosθ=1ですから、仕事=内積はab=|a||b|となりますが、同じ方向でない場合、移動方向にかかる力は|a|cosθとなりますから、仕事=内積はab=|a||b|cosθとなります。私が高校のときの数学の教科書には定義式以外に説明がなかったので、それが何を意味するのか長い間分かりませんでした。
 ベクトルの掛け算には内積と外積があります。内積はベクトル・ベクトル=スカラー(定数)になりますが、3次元での外積はベクトル×ベクトル=ベクトルになります。ベクトルの外積が表す物理量のひとつとして力のモーメントがあります。力のモーメントは回転運動を与える力の能率のことで、回転軸から力を加える点を結ぶベクトルをa、加える力を表すベクトルをbとするとき、その大きさは|a×b|=|a||b|sinθで、その方向はabに向かって近づく回転で右ネジが進む方向です。N・mという単位は仕事と同じですが、異なるものです。
 ちなみに広義の外積は2次元でも定義できて、2つの平行でないベクトルが作る平行四辺形の面積になります。成分で見てみると、a=(a1, a2), b=(b1, b2)のとき、外積は
|a×b|=|a1b2-a2b1|
になります。これを使うと3点を結ぶ三角形の面積が簡単に求められることはよく知られてます。