Sunday, 30 September 2012

映画 武士の家計簿

俵杉算 塵劫記 円周法 鶴亀算
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おばばさま「タケノコは積んである。下の段は13個。2段目は12個。段々減って一番上は1個だと全部で何個かな。」
猪山直之「俵杉算ですな。至極簡単です。91です。」
おばばさま「おっほほほほほほ、ご名算。」
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 これは俵を杉の木の形に積んでいくので俵杉算といいます。
1+2+3+……+13=91
という計算ですが、高校数学では等差数列の和の公式
Σk=n(n+1)/2
を使いますね。あとで原作を読んで知りましたが、映画の中で和算の問題を出題していたおばばさまの父は御算用者(ごさんようもの)の小頭、弟は加賀藩で屈指の数学者だったそうです。
 ところで同じ計算ですが、世界3大数学者の一人であるガウスが少年の時、
1+2+3+....+100=5050
を即座に計算して出題した先生を驚かせたという逸話は有名です。
 さて、これが無限個の和になると∞になるはずですが、ζ関数では、
ζ(−1)=1+2+3+……= −1/12
となります。不思議ですね。(これを解説するサイトがありますので検索してみてください)
 私がこれまでに最も驚いた無限和は次の式(バーゼル問題)です。なぜ成り立つのかその理由を知った時の感動は今も忘れません。
ζ(2)=1/1^2+1/2^2+1/3^2+……=π^2/6
もうひとつ印象的だったのが、調和級数は
ζ(1)=1/1+1/2+1/3+……=∞
なのですが、n項までの和からln(n)を引いて極限をとると、
lim[n→∞](Σ(1/k)-ln(n))=0.57721…
という定数(オイラーのガンマ=Euler's γ)になるということです。
 あとひとつおばばさまが出題するシーンがあったのですがよく聞き取れませんでした。ご存知の方はご一報ください。この部分です。
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おばばさま「円の中の○○○○」
猪山直之「円周法ですか。難題ですなあ。」
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2016年10月28日追記
 先日テレビで再放送があったので,録画してこの台詞を何度も聞きなおしてみました.すると次のように聞こえました.
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おばばさま「円の中の正八角形は…」
猪山直之「円周法ですか。難題ですなあ。」
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 初期の和算書では「円周法」は円周率を意味し,その近似値を円に内接する正多角形の周長から求めていたそうなので,この場合は正八角形の周長を問うているのだと思われます.半径1の円に内接する正八角形の周長を計算してみましょう.円を8等分して分点を結ぶと頂角45度の2等辺三角形が8個できます.分点を結んでできた正八角形の1辺をaとすると,余弦定理より,a^2=1+1-2cos45°=2-√(2)なので,a=√(2-√(2))となり,周長8a=8√(2-√(2))≒6.12となります.因みに円周は2π≒6.28ですね.

Wednesday, 19 September 2012

ドラマ リッチマン、プアウーマン 4話

標本調査 
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なるほど。300人にアンケートをとればおよそ信頼できる結果になると…。
うちの区の人口がだいたい54万人だから抽出標本数は300で誤差6%か。
よし300!やりましょう!
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 これは統計学の標本調査について述べたものです。全体を対象に行う全数調査に比べて、一部を抽出して行う標本調査は結果に誤差が生じます。一般に、全体とくらべて標本数が少ないほど誤差は大きくなります。この場合、54万人の中から300人を調べるだけでも真の値との違いは6%以内ですむということを意味しています。その誤差については、Nを母集団、nを標本数、pを母比率とするとき、以下の式で計算されます。
①信頼区間95.44%のとき、2√((N-n)/(N-1))√(p(1-p)/n) (上図)
または
②信頼区間95%のとき、1.96√((N-n)/(N-1))√(p(1-p)/n) (下図)
または
③信頼区間95%のとき、2√((N-n)/(N-1))√(p(1-p)/n)
として計算する場合もあります。
 ただ、この式でN=54万、n=300、p=0.5とすれば、√((N-n)/(N-1))はほぼ1になります。
√((540000-300)/(540000-1))=0.9997231093
なので、√((N-n)/(N-1))の部分を無視して、誤差を1.96√(p(1-p)/n)または2√(p(1-p)/n)で計算しても良いわけです。
①1.96√(p(1-p)/n)を計算すると、
1.96√(p(1-p)/n)=0.0565803264
なので上図の300-50%の値±5.66になり、誤差は約6%となります。
または、
②2√(p(1-p)/n)を計算すると、
2√(p(1-p)/n)=0.0577350269
なので下図の300-50%の値5.8になり、どちらにしても誤差は約6%となります。
 因みに画面に登場した数学の書籍を紹介しておきましょう。
◆ゼロからわかる確率・統計 深川和久著
◆意味が分かる統計学 石井俊全著
◆入門はじめての統計解析 石村貞夫著

Saturday, 8 September 2012

小説 左京区七夕通東入ル

ピタゴラスの定理
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 新しい定理を発見した場合はその本人の名前がつけられることが多いという話を聞いた。ピタゴラスの定理とかオームの法則とか、いくつかそれらしいものは思い当たる。
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 理学部数学科の学生が準主役の話なのに、数学の用語がほとんど出てきませんでした。主役が文学部の学生だからかも知れません。ピタゴラスの定理は、ピタゴラスが発見したのではないという説が有力です。もっと以前から知られていたとか、ピタゴラスの弟子が発見したとか言われています。
 私も自分でちょっとした結果を得たことがあるのですが、他に同じ内容を見たことがないので勝手に自分の名前を付けて○○の定理と呼んで悦に入っています。
○○の定理
 zがexp(-θcosθ/sinθ)(cosθ+isinθ)という形の虚数のときにz^zは実数になり、その値はexp((-θ/sinθexp(-θcosθ/sinθ))である。
 もし、同じ結果をどこかで見られたことがある方はお知らせください。