ゆとり 円周率 3
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友花「だから私はつかんだ仕事を投げ出したりはしないし,『やっぱゆとりは…』なんて言わせたくない。」
優希「ゆとりは頑張り屋だなあ。」
友花「うん,私たちは『円周率が3』なんて習ってないし,学力低下は個人の問題だもん。」
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この「ゆとり」は「ゆとり教育」のことですね。それまでの「つめこみ教育」が反省されて1980年度小学校学習指導要領から始まりましたが,「学力低下」が問題になり,2013年度(数学と理科以外は2014年度)の高3で「ゆとり教育」は終わります。施行当時,ある塾が「円周率が3になった」などと誇大な情報を流し,マスコミも同様の報道をしてしまって大きな誤解を生み,いまだにそう思っている人が多いと思います。それを皮肉るように東大の入試で「円周率は3.05より大きいことを証明せよ」という問題が出題されました。実際は,小学校学習指導要領第2章各教科第3節算数で「円周率としては3.14を用いるが、目的に応じて3を用いて処理できるよう配慮する必要がある。」となっています。つまり,小数の計算を習っていない段階の小学生には「円周は直径の約3倍強」と教えてもいいということでしょう。
ところでこの2つ目の台詞「ゆとりは頑張り屋だなあ。」はおかしいですね。「ゆとり」を人名のように使っています。「友花は頑張り屋だなあ。」が正しい台詞でしょう。