Friday, 16 July 2010

映画 カイジ 人生逆転ゲーム

複利計算
 主人公の伊藤開司(カイジ)が高利貸の遠藤凛子に借りた5000万円を使って最後の勝負に勝ち、5億円を手にしますが、その借金の利息は10分間に30%の複利で68分間借りていたので、1億円返してもさらに1億9770万4090円を返済しなければなりませんでした。その根拠となる計算をしてみましょう。10分ごとに1.3倍、それが68分=10分の6.8倍ですから、
      5000万×1.3^6.8=2億9770万4089.2円
となり、1億円を引くと1億9770万4090円になるというわけです。
 さて、これを1分間で3%の複利にしたらどうなるでしょう? 1分ごとに1.03倍、それが68分ですから、
      5000万×1.03^68=3億7316万5327.2円
となり、もっと大金を返済しなければなりません。
 では、もっと短い期間ごとの複利にすれすればもっと金額は増えるでしょうか。この場合を1秒ごとの複利で計算してみましょう。1秒ごとに1+0.03÷60=1.0005倍、それが68×60=4080秒ですから、
      5000万×1.0005^4080=3億8433万4464.7円
となり、さらに大金を返済しなければなりません。
 では、複利計算する期間を限りなく0に近づけた場合の極限はどうなるでしょうか。無限に増えるでしょうか。それともある額を超えないでしょうか。これを連続複利といい、次の計算で求めます。
      5000万×e^(0.3×6.8)=3億8453万0459.9円
     (eは自然対数の底=ネイピア数=2.718281828459045…)
となり、実はこれ以上増えません。