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死んだ小針晛宏は
e^πi=-1
という式が好きだった。数字の謎みたいな
e=2.71828......
π=3.14159......
が虚数と組みあわさったとたんに、-1になってしまうところが、不思議大魔術みたいだとさかんに感心していた。たしかに、そう言われてみると、これはスゴイ式である。
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この本の第1刷は1989年ですから、「博士の愛した数式」よりもだいぶ前のことになります。小針晛宏(こはりあきひろ、1931-1971)は京都大学助教授でしたが、在任中に若くして亡くなりました。オイラーの等式が好きな博士で活字に登場した最初の人かも知れません。